★ついったで呟いたネタログ:いつかサルベージできたらいいな! 【2011.02.14@屯所時代 昨日の続き?斎藤さんの後を追う千鶴ちゃんが好き!】 雪の中、斎藤と遣いに出て屯所に着いた千鶴は、先を行く斎藤の足元に視線を落とした。まっすぐにぶれることなく等間隔に刻まれた足跡。背後を振り返れば、寄り添うように小さな足跡が並んでいる。前を向けば続くそれは間隔が広くて、千鶴はその間を縫うように足形をつけていく。 この迷いのない足跡をどこまでも、 (追いかけていたい) 【2011.02.13@屯所時代 雪だるまが残ってて微笑ましかったよ】 昨日積もった雪の名残がそこかしこに残る冬のある日、千鶴は斎藤と二人買い出しに出ていた。普段隊士達と巡察で歩く京の街だが、今は斎藤と千鶴だけだ。町屋の前には、子ども達が作ったのであろう、いくつかの溶けかけた雪だるま。 「みんなはしゃいでたんですね」 千鶴が顔を綻ばせると、斎藤も視線を雪だるまに向けて首肯した。 「斎藤さんも昔は雪だるまを作って遊ばれましたか?」 にこにこと楽しげに歩く千鶴は、斎藤を振り返り、後ろ向きに足を進めながら問う。人気のない京の街はひどく静かで、まるで世界に千鶴と斎藤しかいないかのよう。 「…雪村、前を向いて――」 歩け。斎藤が言おうとしたときには、もう千鶴の右足が、まだ大きな身体を残している雪だるまにとられていた。 「――っ!!」 咄嗟に目を閉じ、衝撃に備えた千鶴だったが、痛みが走ることはなく、ただふわりと身体が包まれただけ。 鼻孔をくすぐる香りに妙に落ち着きを覚えた頃には、頭の上から低く通る声が「大丈夫か」と問うていた。反射的に目を開けると、焦点の合わないほど近くに見知った黒と白。斎藤の胸元に抱き止められたのだと気づいた瞬間、千鶴は衝撃のままに背後にとびすさった。 「す、すいません…!!」 「……いや、」 顔を背けて謝罪に応える斎藤に、千鶴は絶望的な気持ちになった。 (馬鹿な女だって呆れられたんだ…!) 歪みそうになる視界をなんとか押し止め、歩き出してしまった斎藤を追う。太陽が差し、街中に人影が見え始めた。曇る気持ちとは反対に光を反射する雪。まだ春は遠い。梅薫る季節はまだ。しかし、梅よりも心を波立たせる香りが遠くなって、千鶴は無意識に手を胸に当てる。 (焦がれ待つ薫りは――、) たまゆらに胸を満たしたそれが、忘れられない――。 【2011.02.12@現パロ 機会を待ってた斎藤さんは確信犯^^】 人が続々と乗り込んでくる車内で、千鶴はできるだけ詰めようと座席の端に寄る。隣に座っている斎藤がそれに気付き、ほんの僅かに空いていた隙間を詰めた。脚が触れあう。斎藤さんのズボン越しに感じる仄かな体温に胸が高鳴った。膝の上に載せたバッグを押さえていた手が、席を詰めた拍子に動いた斎藤の手に触れる。身をかたくして動けなくなった千鶴に気づいていないのか、斎藤はそのまま体勢を落ち着けた。絡めたわけでもない。ただ、触れあう肌の温度差に「異なる個体」であることを否が応にも思い知らされ、千鶴は固く目を閉じた。 【2011.02.07@現パロ】 手際よく菓子を作った千鶴がキッチンで使い終えた器具を片付けている。斎藤は特に甘いものが好きというわけではないが、千鶴の作る控えめな甘さは舌に馴染む。型に生地を流し、ボールの縁についたクリームを拭う指を見つめる。クリームの白さに負けぬ白指はときに繊細に、ときに大胆にテキパキと動く。 斎藤は、魔法のようになんでも作るその指を見つめていたはずだったが、気づけばペロリとそれを舐めていた。 「一さん!?」 「…すまない、待ちきれなかった」 斎藤の赤い舌が雪色のクリームを舐めとる。暖かな温度が離れると、ひんやりと空気に触れる人差し指に千鶴は頬を上気させた。指先が冷たく熱い。 【2011.02.04@SSL 風紀を乱す風紀委員長★】 風紀委員の斎藤がポケットから鍵を出し、慣れた手つきで解錠した。屋上に通じる扉が軋みをあげて開く。放課後の屋上。薄暮の空に雲が流れる。先に立つ斎藤の後を千鶴が追い、柵の際まで進む。運動場でクラブ活動にいそしむ者、連れ立ち帰途につく者。それらが柵越しに見える。 「あ、平助くん」 見知った姿を見つけて顔を綻ばせる千鶴に、斎藤は僅かに眉をひそめた。 ――と、そのとき、風が吹き抜け、千鶴のスカートを巻き上げていく。ちらりと覗いた薄桃色に、斎藤は素早く視線を柵の向こうに走らせた。上を見ている者はいない。しかし。千鶴の手を引き、風を遮るように前に立つとそのまま扉のある壁際へ追い詰める。 「お前は少し、無防備すぎる」 壁を背にした千鶴は頬を淡く染め、上目遣いに斎藤を見上げていた。 「ごめんなさい…」 ブレザーの裾を掴む細い指。斎藤はその白指を取ると指を絡め、薄く開いた桜色の唇に己のそれを重ねた。己以外の男の名を紡ぐ唇を塞ぎ、呼吸を奪う。力が抜けそうな指は絡め直し、膝を割るように己の足を割り込ませた。鼻に抜ける甘い声は、斎藤の鼓膜だけを揺らし、千鶴の姿は斎藤に覆われ、誰の目にも触れることはない。 「ふ…ぅん」 ようやく離れた二人の間を白糸が繋ぐ。潤む瞳が斎藤を映していた。 【2011.02.03@屯所時代 節分】 「斎藤くん、恵方巻美味しい?ねぇねぇ、斎藤くん〜」モグモグ「ねー、美味しいの?美味しくないの?斎藤くん〜」モグモグ「折角千鶴ちゃんが作ってくれた恵方巻なのに美味しくないんだ?千鶴ちゃん、一くんが美味しくな「美味いに決まっているだろう!」「まだ残ってるのに残念だったね?一くん♪」 【2011.02.02@屯所時代 斎千未満の微妙な距離感が大好きです】 茶を渡す。指先が触れる。チリリと痺れる。熱を持った指は、刹那の間に彼を判別する。冬場に悩まされる静電気に似て、それより質の悪いもの。季節を問わず生じるそれ。触れた指先から溢れてしまいそうな想いを持て余し、千鶴は今日も斎藤の隣に立つことをやめられない。いっそ伝わってしまえば――。 【2011.01.03@ED後 心の中で千鶴ちゃんが好きで堪らなくなってる斎藤さん難しい】 いつの間にか当たり前になっていた。少し後ろをついてくる足音は、小さな歩幅で俺を追う。京の街で。戦場で。足を止めて振り返れば「斎藤さん!」と駆け寄ってきた小さな体。 そして今、斗南で。 ざくり、ざくり。踏みしめる大地は雪に覆われ足を取られる。かつて離れていた足音は、今となってはすぐ背後にあり、無意識に袂を掴んでくる妻の手に躊躇いは見えない。 「大丈夫か、千鶴」 振り返れば、「はい!」袂を掴んでいた手をほどき掌に収めると、蕩けるような笑みをこぼす妻。 「こうやって一さんの足跡を辿っていると、歩きやすいんですよ?」 指を握り返しながら口にする千鶴。彼女はどんな時も、俺の選んだ道を迷いなくついて来てくれた、こんな風に。 「…もう少しで家に着く」 千鶴が足跡をなぞりやすいよう、意識して歩幅を縮め、雪を踏みしめる。 ――千鶴が信じてくれる限り、道に迷わず進んで行ける。俺の後を歩いていながら、まるで彼女は道標のようだ。 【2010.11.27@現パロ 交差点ですれ違うふたり】 赤信号の点る小さな交差点。車が通るわけではないが青になるのを待っていると、交差点の向かいで人が止まる足元が見えた。なんとなしに顔をあげると、歩行者信号から光が消え、車道の信号は点滅を始める。午後10時。交差点の向かいに立つ男性と目が合い、なんとなしに笑いあった。 【2010.11.19@現パロ 携帯のない時代、共用電話で話す斎千いいな!】 「夜分に恐れ入ります。千鶴さんと同じ高校の斎藤と申します。千鶴さんはいらっしゃいますか」 パパ「千鶴、斎藤先輩から電話だ」 →二人が恋人関係になってから パパ「千鶴、一くんから電話だぞ〜ニヤニヤ」 「あ…斎藤先輩…ちょっと待ってくださいね!父がまだそばにいて…(アセアセ)」 パパが去った後。 「…もう大丈夫です、一さん」 【2010.11.17@屯所時代 三つ巴って難しい…斎千沖】 「あ!沖田さん!」 巡察の帰り道、一番組が三番組に合流した。 「…何、千鶴ちゃん寒いの?」 胸の前で指を組む千鶴の手をとる沖田に眉を下げる。組む手を失った手を握りしめていると、左側から伸びてきた手に包まれた。 「…早く戻るぞ」 「はい!……お二人とも、ありがとうございます」 【2010.11.10@現パロ 電車のボックス席向い合せで触れ合う膝にきゅんきゅん!】 電車のボックス席で向かい合って座る斎藤さんと千鶴ちゃん(お互いに何度か同じ電車に乗ってて一方的に知ってるだけ)で斎藤さんが本読んでるうちに寝ちゃったのを機に向かいからマジマジと斎藤さんを見つめてしまう千鶴ちゃん。気配に敏い斎藤さんが目覚めちゃって目が合う。 「……あ、あの!お仕事、大変なんですか…?」 「…なにゆえそう思う」 「いつもは熱心に本を読んでおられて、寝てらっしゃるのって初めてみたので…」 「、いつも…?」 「あ、えと、別にいつもというわけではないですけど、何度かこの電車でお見かけしたので!すいません…!」 「確かに最近は年の瀬が迫ってきて忙しいが…。そういうあんたはどうなんだ?あんたこそ何度か車内で寝ているのを見かけたことがあるが…」 【2010.10.23@ED後 斎藤さんの恩返し:猫の恩返しを見てたよ!】 千鶴には数えきれぬほど多くのものを与えてもらった。彼女がくれるものは形なきもの。かけがえのない至宝。それらに報いるため、何ができるだろうか。斗南での生活は決して楽なものではないというのに共に来てくれた彼女に与えられるもの。俺の持つ想いの全てを今宵、形あるものへ。 祝言を挙げると決意した斎藤は、そのまま懐から出した桜色の櫛を前に決意を固めていた。これまでに贈ったのは着物であり髪飾りであり、それらに深い意味は伴わない。しかし、櫛だけは違うのだ。櫛は「苦死」に通ずる。 苦しみも、死さえも共に――。 それは生涯を共にすることへの誓いを意味するもの。 女の扱いに慣れておらず、気の利いた言葉をかけてやることのできない斎藤にとって、己の全てを捧げること、それがこれまで千鶴から享受してきたものへのせめてもの恩返しなのだと。聡い彼女ならば、この櫛を差し出せば、その意味も読み取ってくれるのだろう。だが、しかし。 今日ばかりは彼女のやさしさに甘えてばかりいてはならない。言葉にして言わねばならないことがあるのだと知っている。 玄関の前でひとしきり呼吸を整えた斎藤は、唇を引き結ぶと彼にとっての戦場たる戸口を跨いだのだった。 【2010.10.23@屯所時代 無意識に触れる斎藤さんウマウマ!】 「千鶴、顔が赤い」 「へ…?そうですか…?」 寒空の下、今日も今日とて掃き掃除をする殊勝な娘のもとへやってきた斎藤は巡察帰りだった。鉢金を取り去った斎藤は、しかしは隊服を羽織ったままである。片手に鉢金を持ったまま、斎藤はごくごく自然な動作で千鶴の前に立ち、その頭を引き寄せた。 高く結い上げた髪の付け根に触れたまま、軽く身を屈めた斎藤は、己の額を千鶴のそれへ突き合わせる。 「……やはり、熱があるのではないか。雑務は置いて休め」 千鶴を半ば追いやるように部屋へ押しやった後、斎藤はふと己の額に触れた。至近距離で見上げてきた瞳は熱のためか潤んでいた。ほんの一呼吸の間触れ合っていただけだというのに、その滑らかで熱い肌の感触が残っている。冷静になってみれば、何故額で触れる必要があったのか。手で十分だったものを―― 。 己まで発熱したかと思われる顔の熱を逃がすように冷たい空気を求め、今一度外へ出るのだった。 |